PiPiちゃん短い生涯に幕を降ろす
2017.7.21
ACTIVITY
別れというものはいつも突然やってきます。
それがどんなに辛かろうと、旅立ってしまった者との記憶だけを胸に、前に進むしかありません。
ですが、まさか、、、こんなにも早くあの子がいなくなってしまうなんて、いったい誰が想像したでしょう?
ねぇ、、、
え?
なに??
大体こうなることは初めから分かってたって???
うそぉぉ!?
全ての始まりは、オホーツク海ラインを突っ走っている時突如道のど真ん中に現れた森のクマさん、ならぬ、
巨大なヒグマ。
すぐさま一眼で追った後、すかさずドローンを飛ばす。
この時は活き活きと撮影をこなしていたPiPiちゃん。
川を渡ろうとしたクマさんを驚かせてUターンさせちゃったりもしましたが(クマさんごめん)、無事撮影を終え帰還がてら夕日に光る川の上を優雅にゆっくりと帰って来ていたとき、それは起こりました。
突然の出来事でした。
吊られた糸が切れたような突然の落下。
手元の画面はブラックアウトし、画面に表示される
「機器との接続が切断されました」
の文字。
墜落したーーーっ!!!
真っ先にGPSの途絶えた場所まで駆けつけましたが、落ちた先は無情にも、濁りきった川の中でした。
万が一ってこともある!
と、川へ飛び込み全身ずぶ濡れになりながらもライトを頼りに探しましたが、残念ながら発見することはできませんでした。
なんせ場所がついさっきまでヒグマのいたところ、しかも川は濁り、どこに落ちたかも大体しかわからない。
普通ならここで諦めてしまいそうなところですが、これまで撮影した全てのデータが詰まったSDカードだけはどうしても諦め切れない。
そこへ夜、ハヤトからかかってきた一通の電話。
「この流れは、なにかきてる。見つかる気しかしない。これはもう一回行くしかないでしょ」
昔からこの男と二人で色んなバカをやってきましたが、俺たちが唯一信頼しているのがこのどうしようもない直感。
これだけを信じ、いつもギリギリのところで事態を乗り越えて来ました。
迎えた今朝。
昨日ビチャビチャの泥だらけにした服を再び着込み、クマに怯えつつ大声をあげながら、用意したシュノーケルで川に飛び込みました。
あまりに何も見えないので2度ほど川底に顔をこすりつけながら、奇跡を信じて潜り続けること十数分。
半ば諦めかけたその時、奇跡を目の当たりにしました。
視界0mに突如現れたPiPiちゃん!!!
仰向けになって泥に埋もれたその姿は、紛れもなくあのPiPiちゃんでした。
あの興奮をどう例えていいかわかりませんが、「流れ」というのはやはり確実にあります。
買い直せばいいから、
100%ヒグマがいる場所だから、
探したって見つからないかもしれないから、
北海道で泥の川に潜るなんてありえないから、
どの瞬間でも諦めることはできましたが、どのタイミングで諦めていてもこの結果にはたどり着けませんでした。
なんの根拠もなく背中を押すバカとひょいひょい押されるバカでよかった。
落ちたのが汽水域でほぼ海水の川だったので、本体はすでに腐食が始まり再び飛ぶことはできなさそうですが、SDカードに入ったデータだけは無事でした。
動かなくなったPiPiちゃん最後の勇姿を、ぜひ観てやってください。
あの子との思い出を胸に前へ進みます
話は変わって、今晩からリューヤは羅臼で漁師になることにしました!
二度と長野へは帰らないと思うので、僕のスキー道具一式、だれかヤフオクにでも売り払っといてください!
ではっっ!
・起床23:45
・出航01:00
・帰港10:00
予定。
Writer : Ryuta
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